猫背は姿勢が悪いだけではなくて身体のあちこちにトラブルがおきます。どうやって矯正すればよいでしょうか

猫背は背中が丸まり、顔が前に突き出た状態で、体がゆがんで頭、肩、腰などいろいろな場所に問題を引き起こします。しかしそれを矯正するのには単に筋トレをすれば良いとかストレッチをすればよいというものでもありません。ここでは猫背をじっくり解説します。

猫背とは?

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皆さんは猫背と聞いてどのようなものを想像するでしょうか?
一般的な解釈としては「首をやや前に出し、背を丸めた状態」(大辞泉より)と定義されます。つまり背中が丸まった状態です。ポイントはあごが前に突き出ていることです。
猫背の問題は「姿勢が悪い」ということは皆さんご存知だと思いますが、単に見た目だけではなくて体のいろいろな部分に問題を起こします。

肥満
本来使うはずの腹筋や背筋を使わないので代謝が悪くなり脂肪がついてしまいます。また顎を突き出す姿勢はあごの皮膚がたるみ二重あごになりやすくなります。また身体の体重のかけ方がゆがむことで内蔵の位置がさがってお腹が出てしまいます。
老けて見える
猫背の人は疲れているように見えますしだらしなく見えます。その結果見た目が老けて見えるようになります。
肌荒れ
背中が丸くなると内臓が圧迫されて負担を増やし、内臓疾患や便秘を引き起こします。老廃物が体内にたまり肌荒れの原因となります。
むくみ・たるみ
姿勢が悪くなると血液やリンパの流れが悪くなりむくみが出やすくなります。また背中の筋肉が衰えると顔のたるみにもつながります。
肩こり
人間の頭部は重く、支える角度がよくないとその負担はより強く出てしまいます。前かがみになればなるほど、肩甲骨の間の筋肉が引っ張られてこりとして出てきます。

猫背になる原因は、最近は長時間のPCやスマホが指摘されています。うつむいて顔を前の方に出す姿勢になりやすいです。特にノートパソコンは画面が目の高さではなく斜め下にあるので、顔を突き出す姿勢になりやすいです。
また運動不足も原因の一つです。筋肉の衰えは猫背につながりますし、血行不良は筋肉の柔軟性も奪ってしまいます。

猫背の4分類

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しかし治療という観点から見ると猫背というのは、見た目が猫背ととらわれてしまうものであり、身体に影響の出やすいものだといえ、以下の四つのタイプに分類できます。

① 円背型猫背
背中が丸まっているものです。
背中の痛みや、肩こり、腰痛、胃腸の不具合などが起きやすくなります。
② 前肩型猫背
肩が前方に飛び出しているものです。
四十肩、五十肩、肩こり、胸郭出口症候群などが起きやすくなります。
③ 顔出し型猫背
顔が前方に出ているものです。
肩こり、首の痛み、頭痛、顎関節症などが起きやすくなります。
④ 首無し型猫背
見た目として首が見えづらくなるような姿勢を取っているものです。
重度の肩こりや、首の痛み、頭痛などが起きやすくなります。

猫背は生活習慣から

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猫背は立っているときよりも座っているときのほうが起こりやすくなります。
整骨院での診察など猫背の様子を他人に見せる時は立って「気をつけ」の姿勢を取ることが多いですが、つい姿勢を整えてしまいます。しかし、座っているとき、意識していない日常生活の中で起こりやすいものなのです。

そして、日常生活での体のゆがみは身体のあちこちに影響が出ます。体の柱である骨格がゆがむと、そのバランスを取ろうとして筋肉や靭帯に負担がかかります。肩や背中や腰の慢性的な違和感は骨格のゆがみに起因する筋肉のこりであることが多いです。
特にゆがみやすい場所は、

  • 脊椎
  • 骨盤
  • 頭蓋骨(顔面を含む)
  • 顎関節
  • 足関節

です。したがって、猫背の問題というのは単に背中が丸まっているというよりは、骨格が歪んでいることと、それによって発生する症状のことであると言えます。

この症状というのは、単に猫背と言うだけでは表に現れないことがあります。長年の生活習慣によって発生したものですから自覚症状がないのです。
ですから、まずは身体のどこに症状があり、どの筋肉にストレスが掛かっているのかを見なければいけません。その上で猫背であることを自覚し、正しい姿勢を覚え、日常生活を改善していかなければなりません。

既存の猫背矯正法の問題点

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今ある猫背矯正法というのは、いろいろと問題があります。
猫背を背筋の問題と考え、猫背は背筋を鍛えると治ると思い筋トレをするというのは、猫背の状態の上から筋肉がさらにつくので、猫背が矯正されず、むしろ治りづらくなってしまいます。また、もともとの原因が体のゆがみから生じる筋肉のストレスですので、その状態をそのままにして筋トレをすると、その部分が悪化してしまう可能性もあります。
筋トレ自体は良いことですが、鍛えるべき筋肉を把握し、その筋肉を意識したトレーニングが必要になります。

自分でストレッチを行う場合。ストレッチそのものは良いことですが、猫背を治すために本当に伸ばしたい筋肉を伸ばせているかです。猫背を4タイプに分類しましたが、そのタイプによって伸ばすべき筋肉が異なります。
ストレッチは、伸ばすべき筋肉を把握し、正しいポーズを取り、時間をかけてマメに行うことが大切です。

さまざまな猫背矯正ベルトが販売されています。こういったベルトの問題は窮屈で長時間着用することが困難なことです。またこういったベルトは背中だけとか肩だけといった部分的な矯正になるため、猫背の根本的な解決にはなりません。原因が骨盤や足、また首や頭であることもあるからです。

「背筋を伸ばしなさい」「ちゃんとした姿勢をしなさい」という親の躾(の欠如)が原因だという考えもあります。しかしこれではなかなか良くなりません。お子さんだけではなく親御さんもどれが正しい姿勢なのかを把握していないからです。

猫背の矯正方法

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ではどのようにして猫背を矯正すればよいのでしょうか。
まずは今の姿勢の状態を知ることです。そしてその治し方を理解することです。

年齢によっても対応方法が変わってきます。

子どもの猫背の場合ですが、子どもは身体的には成長期ですので代謝が多く一番治しやすいです。しかし猫背を治すという理由付けができないと子どもたちが自分で治そうとしません。正しい姿勢とはどういう姿勢なのかを親が明確にするようにサポートすることが重要になります。比較的簡単なセルフケアを行いながら施術をすると改善するのも早くなります。

大人の猫背の場合は生活環境が重要になります。とくに職場です。たとえばPCを使う仕事は姿勢に良いとは言えません。大人の猫背の場合は猫背の状態で固まっていることがほとんどなので、ポイントは空き時間に背筋を伸ばしたり正しい姿勢を意識することです。

高齢者の場合は、まずしっかり歩けるかどうかです。足腰がしっかりしていないと専門家が時間をかけて施術してもすぐに元に戻ってしまいます。足や膝、骨盤、背骨の状態を確認して、しっかり支えられる状態にしていくところから始める必要があります。

猫背の施術は背骨の矯正、骨盤・股関節の矯正、肩関節の矯正、頚椎の矯正、頭の矯正を行います。

背骨の矯正では背骨のすぐ際にある小さい筋肉がかたまっているところに指でやさしく矯正を加えていきます。この小さい筋肉は多裂筋・回旋筋といい背骨がゆがむとこれらの筋肉がかたまってしまうからです。
骨盤・股関節の矯正では、股関節周りの筋肉がかたまっているのをストレッチしたりして緩めていきます。骨盤は体の土台なので、猫背矯正において骨盤を整えることは必須となります。
肩関節の矯正では、肩甲骨や上腕骨の位置のズレを矯正していきます。特に猫背のタイプが前肩型である場合にここがずれていることが多いです。
頚椎の矯正は猫背で顔が出ている「顔出し型」の場合や肩こりや頭痛には必須となります。
頭の矯正では頭を体の上にまっすぐ載せることができるようにします。